S-ICD治療とは

突然心停止の原因となる不整脈の発生時に心臓に電気ショックを送り、心臓が身体に血液を送り出せるように正常な心拍に戻す機器です。このような機器は、ICD(植込み型除細動器)と呼ばれ、皮下植込み型除細動器(S-ICD)システムと経静脈ICDシステムの2種類があります。

ICD(植込み型除細動器)の種類

皮下植込み型除細動器(S-ICD)システム

わきの下に植込まれた本体と、皮下に留置された1 本のリードを使って、電気ショックによる救命治療を行います。
このシステムは、本体とリードが心臓や血管に触れないため、植込みによる合併症の発生率が経静脈ICDシステムよりも少ないという利点があります。

経静脈ICDシステム

エックス線画像を使って、リードを静脈から心臓内に固定します。
胸部に植込まれた本体と、心臓内に留置されたリードを使って、電気ショックによる救命治療を行います。

リード

心臓の電気信号を本体に送信し、本体から送出された電気ショックを心臓に伝えるための導線です。

本体

電池と電子回路により構成され、チタンで覆われています。非常に速く危険な心拍を検出すると、電気ショックを送出します。

突然心停止とは?

突然心停止は非常に深刻な心臓の病気であり、数分以内に治療しなければ、死亡することがあります。突然心停止の原因となる異常な心拍をリセットし、全身の血流を正常に戻すことができるのは、心臓への電気ショック治療だけです。

心臓の電気システムに問題がある場合

心臓の電気システムに問題がある場合は、不整脈とよばれる不規則で異常な心拍が起こることがあり、その中には致命的なものもあります。このような危険な不整脈では、心拍数が上昇し、心臓が全身に血液を送り出すことができなくなります。

正常なECGの画像

心室頻拍(VT)

心室頻拍(VT)は、心室で生じる速い心拍です。回路の電気ショートのような状態で、1分間の心拍数が150~200になります。

心室頻拍(VT)の画像

心室細動(VF)

心室細動(VF)は、異常に早く不規則な心拍で、1分間の心拍数が200~300を超えます。VFを発症すると、心臓は小刻みに震えるため、全身に血液を送り出すことができなくなります。

心室細動(VF)の画像

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