S-ICDの植込み手術について
手術の手順
- 手術中は全身麻酔または局所麻酔を使用します。
- 胸部左側に小さな切込みを入れます。(下記画像①)
- 本体を皮膚の下に入れるためのポケットを作ります。
- 胸骨のやや左側2か所に小さな切込みを入れ、皮膚の下にリードを固定します。(下記画像②)
- リードを本体に取り付けます。
- プログラマというノートパソコンに似た機器を使って、S-ICDシステムのテストを行い、患者さんの心臓に合わせて設定を調節します。
- 切込み部を閉じれば、手術は終了です。
S-ICDの手術後の生活について
手術から回復したあとは、旅行や運動などを行うことができます。S-ICD システムは、患者さんが安心して日常生活を送り、好きなことを自由に楽しみ、愛する人々と貴重な時間を過ごすことを可能にします。
退院
回復期間は患者さんにより異なります。多くの場合、術後短期間で自宅に帰ることができます。
手術が終了するとすぐに担当医からさまざまな指導があると思います。気になる点については、必ず担当医に問い合わせてください。
手術後の定期検査の情報を記載するために患者手帳が提供されます。手帳は植込み型医療機器を装着していることを医療従事者や空港保安検査の係員に知らせることができるように、常に携帯するようにしてください。
担当医への連絡
S-ICDシステムの動作状態を確認するために、担当医の指示に従って定期的に診察を受けてください。担当医は必要に応じ、プログラマを使って、S-ICDシステムの設定を調節します。
電気ショック治療を受けた場合は、必ず担当医に連絡してください。電気ショック治療実施時は驚くかもしれませんが、これは危険な心拍を除細動によって治療した可能性があるということです。
合併症について
頻度は少ないですが、手術時と手術後に、以下のような合併症が発生する可能性があります。
- 感染※
- 血栓塞栓症
- 気胸
- リードの移動や破損
- 出血
- 感染※
- アレルギー反応
- 線維組織形成
- 出血
- 血腫や膿胞(のうほう)
- ケロイド形成
- びらん/突出
- リードの移動や破損
※ICD本体の交換回数の増加に伴い、本体が植込まれているポケット部分の感染発生率が高くなるというデータが存在します。
S-ICD システムとともに生活をする上で、 いくつか守っていただきたい使用上の注意があります。手術後に担当医から指示事項について詳細な説明があります。また、患者さん用のハンドブックにも記載がありますのでお読みください。