毎朝、「起きてくれてありがとう」という妻の言葉に、一日も早く手術を受けたいと思いました。

S-ICDを植込むことになった経緯を教えて下さい。

朝目が覚めて少しして、子供のおむつを替えようと思って立ち上がろうとしたところ、くらっとして、意識がなくなりました。妻の話では、その時、今まで聞いたことのない大きな呼吸音が聞こえたそうです。私が意識のないことに妻がすぐ気付き、救急車で病院に行きました。病院で検査をしたところ、ブルガダ症候群であることがわかり、専門的な病院で診断してもらうように言われ紹介状をもらいました。身内に若くして突然死で亡くなった人がいることと、心電図を見た結果、主治医の先生からICDの植込みを薦められました。

S-ICDについてそれまで知っていましたか?

全く知りませんでした。先生から説明を受けて資料をたくさんもらいました。わからないことはその場で質問し、家に帰ってから疑問に思ったことはインターネットで調べました。植込む前には妻や両親とも相談をしました。ICDには大きく2つのタイプがあるということと、その違いについても、先生から説明がありました。今までずっとサッカーをやっていたので、運動が可能で、感染症のリスクも少ない新しいタイプのICDを植込んでもらうことになりました。

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S-ICDの植込み手術に不安はありませんでしたか?

器械を体の中に入れることにはそれほど抵抗はありませんでした。ただ、手術の日がどんなに早くても1カ月後ということだったので、その間にまた倒れたらどうしようという不安はありました。毎朝、妻に「起きてくれてありがとう」と言われていました。妻にもとても不安な思いをさせていたと思います。一日も早く手術をしてもらいたいと思っていました。

実際に手術を受けられていかがでしたか?

全身麻酔だったので、手術中のことは覚えていません。気付いたら手術が終わっていて病院のベッドの上でした。麻酔が切れてからはすこしぼーっとした感じで、痛みは寝ている間は大丈夫でしたが、翌日起きようとしたときに傷口が痛みました。2週間後くらいには痛みもだいぶなくなりました。

S-ICDのショック治療を受けたときはどのような感じでしたか?

手術後最初に意識を失ったときは、ショック治療が行われたことに気が付きませんでした。深夜の2時頃、妻に「大丈夫?」と言われて、もしかして気を失っていたのかなと思いました。ショック治療後は心臓が痛くてドキドキしていました。30分後くらいにまた意識が遠くなり、ショック治療が行われましたが自分では意識がなかったため覚えていません。その後救急車で病院へ運ばれ、状態が安定していたので、朝になったら自家用車で専門の病院へ行ってくださいと言われましたが、病院でも、2回失神からのショック治療がありました。4回目のときは、意識が遠のく前の状態がとてもしんどかったのを記憶しています。ショック治療の後は、普通の状態に戻りました。

S-ICD治療を受けてよかったですか?

体がだるかったり、気持ち的にすぐれないときなども正直あります。けれど、やはり手術してS-ICDを植込んでいてよかったという思いが一番強いです。もし手術を受けていなかったら、あの発作の時に助かっていなかったでしょうから。

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プロフィール

博之さん(仮名)
28歳 男性
ブルガダ症候群、心電図異常、家族歴と失神のため、心臓突然死予防目的にICD植込みの適応と判断
2016年4月S-ICD植込み
取材:2016年8月

写真はイメージです。
当インタビュー記事は、患者様の個人的な感想で、全ての患者様の症状が同じように改善することを保証するものではありません。